人材派遣会社の告発事案(水曜勉強会)
投稿日:
今日の勉強会の講師は山本さん。大阪国税局が令和元年8月30日に消費税法違反で告発した事例を解説してもらいました。

滋賀県の人材派遣会社T社が、消費税の無申告を指摘された事案(3年間で消費税4600万円)ですが、告発事実の要旨を見る限り、実際は派遣社員はT社から派遣されているものの、T社から売上の請求書を発行すると消費税の課税対象となっててしまうため、業務実態の無いペーパー会社Xを設立し、そのX社から請求書を発行し、しかも派遣社員に対する給与もX社から支給するような形式をとっていたものと考えられます。
X社は、上手く事業年度を設定すれば、設立後1年7か月間は消費税の免税事業者なので、このようなペーパー会社の設立を定期的に繰り返すことにより、消費税の納税を免れることができます。
実際の大阪国税局の調査では、恐らくX社が業務実態のない架空の会社であることを突き止めるため、X社とT社、及びその役員自宅に、事前予告無く税務調査に入り、X社の印鑑が実際はT社で管理されていたり、X社の資金の入出金をT社で行っていたり、X社の代表者への質問で、X社の代表者が単なる名義貸しだということを突き止めていきます。全体的な事実の認定から、今回は実際の取引はT社が行っているのだから、T社で納税を行うように、という指摘が行われたのだと思います。
消費税が3年かで4,600万円ということは、年商2億円位の派遣会社ということですね。派遣社員も30人位の規模だと思いますが、脱税であることに間違いはないのですが、この規模でも刑事告発されてしまうことには、少し驚きました。
関連記事
-
-
未払賞与はこうやって調査される
事業年度末に従業員賞与を未払計上し、1ヵ月以内に支給する、、という特例(法人税法 …
-
-
租税条約に基づく税率軽減の適用を受ける場合の復興特別所得税
非居住者に対して、例えば著作権使用料を支払う場合には、使用料に対して20%の所得 …
-
-
(新聞報道を解説) 4月~6月に行われる税務調査
税務調査は、その連絡が来る時期によって、自分の会社がどれくらい狙われているのか( …
-
-
壊れそうな新築ビル
バンコクのサトーンエリア。。何か倒れそうですが、ぴかぴかの新築ビルです。 バンコ …
-
-
消費税の課税事業者となるには
消費税の免税事業者が、消費税の課税売上よりも課税仕入が多くなることにより消費税の …
-
-
インボイス制度の問題点(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は佐々木さん。5年後(2023年10月1日)から施行されるイン …
-
-
良い仕事仲間と!
だんだんと忙しいシーズンに入ってきました。頑張って乗り越えます!
-
-
Transfer Pricing -documentation requirement in Japan-
To adhere with the BEPS project, the 201 …