税務調査 調査対象は3年?5年?
投稿日:
税務調査の調査対象は、基本的に3年で運用されてます。
ただ、ごく稀に、一旦3年で設定された調査期間が、5年に延長されるケースがあります。この場合ですが、実は、法律要件に従って調査期間が延長されてますので、納税者側も反論するための法的根拠を知っていなければなりません。
事前通知の3年間で非違があるからそのまま調査期間を5年に延長できる訳ではなくて、【調査対象期間よりも前の課税期間にも同様の非違が疑われる場合】にのみ、5年に延長できる訳です。。
3年間調査した結果、貸付金利息の計上漏れがあった。貸付金は5年前からあったので、4年前、5年前も自動的に同様の漏れがあることが分かるので4年前、5年前に遡ることができるのです。例えば、過去3年間で架空の外注費が見つかりました。というだけでは、5年間遡ることができません。なぜなら、3年間で架空外注費があったから、自動的に4年前、5年前も行っていただろうことにはならないからです。
「国税通則法第74条の9第4項」や「税務調査手続等に関するFAQ(職員用)(平成24年11月 国税庁法人課税課)」の問1-56では、事前通知した調査対象期間を調査している過程で非違を把握し、その非違が認められる取引先との取引が調査対象期間よりも前の課税期間にも存在するなど、調査対象期間よりも前の課税期間にも同様の非違が疑われる場合などが該当します。
あくまでも、「調査対象年分=誤りがある」ことが要件なのではなく、調査をしている過程で、「調査対象期間よりも前の期間=同様の誤りがありそう」ということが、調査対象年分が延びる要件ということです。
関連記事
-
シンガポールから戻りました。
シンガポールから戻りました。駐在する社員の労働ビザも無事取得完了。事務所ももうす …
-
新家なき子と海外の居住家屋
1年ほど前にロス近郊で日本の相続税セミナーを開催した際、かなり多くの在米居住の日 …
-
カキ獲り
子供の日に、子供とカキ獲りにいきました。 あたり一面カキだらけでしたが、カキの寿 …
-
クレジットカード会社に支払う支払手数料は非課税
税務調査で良く指摘を受ける項目です。その時は気を付けていても、少し経つと忘れてし …
-
非上場会社の株価評価(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は岩里さん。同族オーナーが保有している自社株式等の、非上場株式 …
-
個人所得税申告 財産及び債務の明細書の提出対象者が絞られます。
これまでは、所得2000万円以上の個人は、全員 財産及び債務の明細書を提出するよ …
-
合法的に脱税できる職種 「牛農家」と「年商5000万円以下の開業医」
牛の農家は、牛1頭あたりの利益100万円までは非課税 → 事実上ほぼ課税無し。 …
-
過大退職金に関する判決
泡盛「残波」を製造する比嘉酒造が、国税当局から、過大役員報酬と、過大役員退職金に …