外国株式の譲渡 損益通算は
投稿日:
所得税の確定申告期限もいよいよ大詰めを迎えてきました。海外からいらっしゃられているクライアントが多いため外国上場株式の譲渡も多く、海外上場株式の譲渡損益の取り扱いは、毎年慎重になります。
①2016年から、上場株式等は上場株式等同士、一般株式等は一般株式等同士で損益通算することになりました。海外上場株式は、上場株式等なのでしょうか?
■上場株式等の定義⇒国内/国外の金融商品取引所への上場株式 (措置法第37条の11)
■一般株式等の定義⇒上場株式等以外 (措置法第37条の10)
海外上場株式は、上場株式等なのです。海外上場株式等の譲渡損益は、国内上場株式等の譲渡損益と相殺できます。
②それでは、海外上場株式の譲渡損失が発生した場合、上場株式等の配当と相殺できるのでしょうか? これはNGです。
国内の取引業者を通じて上場株式等を譲渡したことにより生じた損失でなければ、上場株式等の配当と相殺できません。このような譲渡を、”上場株式等に係る譲渡損失の金額”と定義してます。(措置法第37条の12の2) 株の譲渡損失に関しては、かなり慎重な取扱をしていることがわかります。
③”上場株式等に係る譲渡損失の金額”は、海外の上場株式等の配当と相殺できるでしょうか? これは可能です。
”上場株式等に係る譲渡損失の金額”は、国内外を問わず上場されている株式からの配当所得と相殺することができます。ただし、上場法人であっても、内国法人で大口投資家であるとして、総合課税される配当については相殺することができません。この”上場株式等に係る譲渡損失の金額”と相殺可能な上場配当を、”上場株式等の配当等”と定義してます。(措置法第8条の4)
上記が組み合わさると、結構大変ですね。。
関連記事
-
海外子会社への寄附金と通常の寄附金の違い(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は佐々木さんです。 海外子会社への寄附金と、国内子会社への寄附 …
-
GACKTさんへの査察調査に対する誤解(新聞報道を解説)
2012年頃にGACKTさんに、東京国税局査察部 “通称 マルサ”に …
-
バンコク事務所
バンコク事務所のスタッフとのランチ
-
水曜勉強会 2015年もスタート
アルテスタでは毎週水曜日に社内勉強会を行います。従業員が持ち回りで講師を担当する …
-
タクシー初乗り410円なら…6割が「利用増やす」
初乗り410円、国交省が近く認可するそうです。タクシー初乗り410円となると、地 …
-
日本の法人の数は?
国税庁は平成28年3月25日,平成26年度分の法人企業の実態を公表しました。 平 …
-
過大役員給与(水曜勉強会)
今日の勉強会の講師は岩里さんでした。過大役員給与に関する裁判事例や、グループ法人 …
-
タイの付加価値税(VAT)は2018年9月30日まで7%維持
タイの付加価値税(VAT)は国税法典において10%と定められていま …