軽減税率が使えなくなる?(水曜勉強会)
投稿日:
今日の講師は岩里さん。2015年5月9日に、シャープが1218億円ある資本金を1億円に減資する方針を固めたとする報道がありました。この方針は、株主配当を行うための配当可能利益の捻出を目的としてますが、一方で、税法上の中小法人になって税制優遇を受けることも目的となりました。しかし、連結売上高が3兆円近い大企業のシャープが、中小法人として税制優遇を受けることについて批判が噴出したため、シャープは当初の計画を変更し、資本金を5億円として、減資による欠損填補を行うこととしました。今回は、このニュースで話題となった中小法人に対する税制優遇措置の概要と、シャープが利用しようとした制度に関する改正点について解説してもらいました。
中小企業に対しては、租税特別措置法上、幾つかの税制優遇措置があります。ただし、平成29年度税制改正により、過去3年の所得平均が”15億円”を超える中小企業については(←かなりの利益ですね)、平成31年4月1日以後開始事業年度から、中小企業向けの租税特別措置は適用対象外となることとなりました。設立後3年を経過していない法人については、過去3年の所得平均は0とされるそうです。また、”平均”ですので、資産売却等で、一時的に数十億の所得が生じた場合も要注意ですね。
① | 中小企業技術基盤強化税制( 措法42の4 ) |
② | 特定設備等の特別償却( 措法43 )のうち ・公害防止用設備の特別償却 ・自動車教習所用貨物自動車の特別償却 |
③ | 被災代替資産等の特別償却( 措法43の3 ) |
④ | 中小企業等の貸倒引当金の特例( 措法57の9 ) |
⑤ | 地方活力向上地域において特定建物等を取得した場合の特別償却(措法42の11の3,措令27の11の3) |
⑥ | 所得拡大促進税制( 措法42の12の5 ) |
⑦ | 法人税率の特例( 措法42の3の2 ) |
⑧ | 中小企業投資促進税制( 措法42の6 ) |
⑨ | 商業等活性化税制( 措法42の12の3 ) |
⑩ | 中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入特例( 措法67の5 ) |
⑪ | 交際費の定額控除限度額( 措法61の4 ②) |
⑫ | 欠損金の繰戻還付の制限規定( 措法66の13 ) |
※ 連結法人に対しても同様に所得基準を追加 |
関連記事
-
JPY 2 mil Subsidy. Be sure to apply before Jan 15, 2021 !!
Are the sales of your business being aff …
-
財産債務調書
”国外財産調書”とは、5,000万円を超える国外財産を有するものに保有財産の申告 …
-
香港出張
今日は、INAAの香港代表事務所のKENNY会計士の事務所に立ち寄りました。香港 …
-
退職金の収入すべき時期 (水曜勉強会)
今日の講師は山本さんです。 退職手当金の収入時期に関する裁判事例を解説してもらい …
-
アジア各国 過去の日本でいうと。。
少し古いデータですが、アジア各国の1人あたりGDP比較。これからの各国の著しい経 …
-
国税庁回答 信託型ストックオプション 権利行使時に課税!
国税庁などが29日に開いた信託型に関する説明会で、信託型ストックオプションは権利 …
-
2015年も宜しくお願いします!
本年もよろしくお願いします! 代表社員 山沢拓爾(左)、代表社員 山沢昌寛(右) …
-
会社規模区分と土地保有特定会社
相続税対策を検討する際に注目となる税制改正を紹介します。 総資産の中に占める不動 …