相続対策
よくあるご質問やご相談
- 相続対策の取り組み方を教えてください。
- 「相続対策=節税」と考えがちですが、まずは、下記を検討して下さい。
- 相続税の納税財源が確保されているか否か納税財源が不足している様であれば、所有財産を、「残す必要性が有る」のか、「処分もやむをえない」のかに従い区分し、財産の売却・買換等による流動性の高い財産へのシフトチェンジ、又は物納の準備を進める必要があります。また、相続税の納税資金として、生命保険に加入しておくことも、検討する必要があります。
- 相続人が争いなく遺産分割出来る様になっているのか否か換金できない財産が多い場合等、遺産分割で争いが生じる可能性が高い場合には、遺言、又は流動性の高い財産へのシフトチェンジ等で対策を講じておく必要があります。
上記に特段問題が無いようであれば、次に相続税を圧縮することができる方法があるか否かを検討することになります。但し、節税対策は、毎年税制改正がおこなわれることから、現在効果的な対策も、税制改正後にその効果も大きく減殺されることも予想されますので、節税方法についても十分な検討が必要です。
- 相続税の納税財源が確保されているか否かについては、どのように調べれば良いですか?
- 統計上、相続財産の大半は、「土地」、「預金」、「株式」で占められております(下記参照)。従い、まずは、これらの財産の現状、及び借入金の状況を概算把握し、相続税を試算してください。試算額が手持現預金、上場株式の範囲内であれば、納税財源が確保されていることになります。
尚、相続税の計算に際しては、小規模宅地の評価減等、基礎控除の計算等、相続税額に大きな影響を及ぼす項目がありますので注意が必要です。計算方法につきましては、お気軽に弊社へお問い合わせください。
- どのような場合に遺産分割で争いが起きるのですか?
- 様々なケースがありますが、下記のような売却が難しい財産を複数の子供達で相続する場合に、遺産分割で争いが起きる確率が高いです。
- 居住用不動産
- 賃貸用不動産
- 自己の経営する会社の株式 等
このような財産の占める割合が大きい場合いは、より流動性の高い財産へのシフト、遺言等で、早めに相続対策を行う必要があります。
- 遺産分割で争いが起こらないように遺言を作成しようと思います。遺言にはどのようなものがあるのですか?
- 遺言の種類には、下記があります。その用途により使い分けが必要ですが、遺産分割での争いを回避することが目的であれば、多少コストと手間はかかりますが、「公正証書遺言」がお勧めです(手続きについては後述)。それぞれの種類の遺言の概要については、下記をご参照ください。
自筆証書遺言 秘密証書遺言 公正証書遺言 概要 - 自分自身で作成保管
- 簡便である点がメリット
- 自分自身で作成保管、その存在を公証人が証明
- 内容を秘密にしたまま遺言の存在を証明してもらうことができる点がメリット
- 公証人が作成保管
紛失、隠匿等のリスクが無く、遺言の内容が法的に無効となるリスクも無いため、最も確実な方法
遺言作成者、保管者 作成者:自分
保管者:自分- 内容によっては法的に無効となるリスク有り
- 紛失のリスク有り
- 隠匿のリスク有り・自分自身で作成保管
作成者:自分
保管者:自分- 内容によっては法的に無効となるリスク有り
- 紛失のリスク有り
作成者:公証人
保管者:公証役場証人(※1)/公証人 証人:不要
公証人:不要証人:2名必要
公証人:必要
(内容は秘密/存在を証明)- 遺言作成手続比較的煩雑
証人:2名必要
公証人:必要
(内容を証明)- 遺言作成手続比較的煩雑
相続発生時の家庭裁判所での検認手続 必要 - 遺言執行手続比較的煩雑
必要 - 遺言執行手続比較的煩雑
不要 (※1)証人は、未成年者、禁治産者、準禁治産者、推定相続人、受遺者、及びその配偶者・直系血族等はなれません。
- 公正証書遺言の手続、及び注意点を教えてください。
- 公正証書遺言の手続は下記の通りです。
- 証人2人以上の立会で、遺言者が遺言の趣旨を公証役場の公証人に口頭で述べる(原則、遺言者及び証人が公証人役場に出向きますが、病気等の理由で外出できない場合には、公証人が遺言者の自宅や病院まで出張することができます)。
- 公証人がその口頭で述べられた内容を所定の形式に従い、遺言書として筆記し、遺言者及び証人に閲覧させる。
- 遺言者、証人、公証人が、上記の遺言証書が上記手続きに従い作成されたものであることを付記し、署名押印する(遺言者が病気等の理由で署名できないときは、公証人がその理由を付記して遺言者の氏名を代筆し、遺言者の署名にかえることができる)。
また、下記の書類が必要になります。
- 遺言者の印鑑証明書
- 遺言により遺産を譲り受ける者が相続人であるときは、遺言者との続柄がわかる戸籍謄本、その他の場合には住民票の写し
- 遺産が不動産の場合は、その登記簿謄本及び固定資産の評価証明書(手数料計算に必要)
- 証人の住民票の写し 等
- 相続税の簡単な節税方法を教えて頂けませんか?
- 最も簡単且つ効果的な方法として、財産の生前贈与を活用した相続税の節税対策をご紹介します。
- 贈与税の非課税枠(年間110万円)にこだわらない年間110万円までの贈与については贈与税が課されないことはご存じの方も多いと思います。とりわけ、「贈与税は高い」という印象があるため、毎年の贈与を110万円に抑える方が見受けられますが、510万円を贈与した場合でも、支払う贈与税は55万円ですので、贈与税は贈与金額の約10%程度に過ぎません。仮に、想定される相続税の税率が30%、40%である場合には、生前に10%で財産を相続人に移転することができるため、毎年続ければ、効果的な節税策になります。自己が経営する会社の株式等、将来値上がりする可能性のある財産を贈与することができれば、さらに高い節税メリットを享受することができます。
但し、贈与後3年以内に相続が発生した場合には、相続税法上、上記の効果は無くなりますので、注意してください。 - 配偶者への居住用不動産の贈与の非課税(2,000万円)の活用婚姻期間が20年以上の夫婦であれば、居住用不動産を配偶者に贈与する際、2,000万円分については非課税となり、基礎控除110万円と組みわせることにより、2110万円分については、配偶者に無税で財産を生前贈与できます。
通常は、遺産状況を把握した上で、合理的な節税策を検討します。詳しい状況をお教え頂ければ、良い節税策が見つかるかもしれませんので、お気軽にご相談ください。
- 贈与税の非課税枠(年間110万円)にこだわらない年間110万円までの贈与については贈与税が課されないことはご存じの方も多いと思います。とりわけ、「贈与税は高い」という印象があるため、毎年の贈与を110万円に抑える方が見受けられますが、510万円を贈与した場合でも、支払う贈与税は55万円ですので、贈与税は贈与金額の約10%程度に過ぎません。仮に、想定される相続税の税率が30%、40%である場合には、生前に10%で財産を相続人に移転することができるため、毎年続ければ、効果的な節税策になります。自己が経営する会社の株式等、将来値上がりする可能性のある財産を贈与することができれば、さらに高い節税メリットを享受することができます。
- 2500万円までの贈与は非課税だと聞いたのですが、詳しく教えてください。
- 下記の要件を満たした場合には、2500万円までの贈与は非課税とされ、相続税のみが課されることになりました(2500万円を超えた分については20%の贈与税が課されます)。
- 65歳以上の親から、20歳以上の子供(子供が無くなっているときには孫)への贈与。
- 贈与を受けた年の翌年の2月1日~3月15日までの間に届出書提出。
収益物件や、自社の株式等、今後価値が増加することが確実である財産については、無税で大型贈与がしやすいというメリットがありますが、下記についても注意する必要があります。
[注意点]
- 贈与税は課されないが、相続税は課されます。無論、相続税の基礎控除以下である場合には、相続税も課されませんので、大変メリットの大きい制度となります。
- しかし、近い将来、相続税の大幅改正が予定されており、現状は相続税が課されない方に対しても、将来相続税が課されることになる可能性が有ります。
- 本制度を利用すると、通常の課税方式(年間110万円までは無税)には戻ることができない他、贈与した財産についても相続税の節税対策を講じることができない。結果的に、通常の課税方式(年間110万円までは無税)を活用した方が、相続税の節税効果が高いこともあります。
- 孫に預金を少しずつ生前贈与しようと思っていますが、孫が無駄遣いをすると困るので、孫の預金通帳は私が管理しようと思っています。何か問題はありますか?
- たとえお孫さん名義の通帳にお金を振り込んだとしても、あなたがその預金口座を管理している場合は、お孫さんへの贈与は成立しません。同一の印鑑(名字)で開設した、お子さんやお孫さん名義の預金口座に資金を送金し、後の相続税の税務調査で生前の贈与が否認されるケースが稀に見受けられます。
- 配偶者が遺産を相続する場合には税金がかからないそうですが本当ですか?
- 原則として、法定相続分まで遺産を相続する場合には相続税はかかりません。法定相続分を超えた場合であっても、相続する遺産が1億6,000万円以下であれば、相続税はかかりません。
但し、分割されている遺産が対象となりますので、遺産分割協議で分割することができなかった遺産については、分割協議がまとまるまで、上記の軽減の対象にはなりません。さらに、申告期限後3年以内に分割協議がまとまらなかった場合には、上記の軽減の適用を受けるチャンスが無くなりますので、注意が必要です。
また、配偶者への相続については上記のような軽減措置がありますが、次に配偶者に相続が発生した場合の子供への相続については、このような大きな軽減措置は無いため、将来値上がりが予想される土地等の財産は、配偶者へ相続せず、子供が相続した方が良いケースもあります。